2013年3月6日(水)、ANAインターコンチネンタルホテル東京にて、「2012年度大川賞・大川出版賞・研究助成贈呈式」が開催されました。
本年度の大川賞は、コンピュータによる音声言語処理に貢献のあった東京工業大学名誉教授の古井貞熙博士と、MIT電気工学・コンピュータ科学科Delta Electronics首席教授のヴィクター・ズー博士に贈呈されました。
※古井貞熙博士、ヴィクター・ズー博士の主な略歴・業績等はこちらをご覧ください。
なお、2012年度大川賞受賞者につきましては、2013年3月7日の朝日新聞に掲載されました。大川賞は本年度を含め、これまでに国内外で38名の方々に贈呈されています。
また2013年3月7日(木)、東京工業大学 蔵前会館くらまえホールで「2012年度大川賞受賞記念シンポジウム」(主催:東京工業大学 共催:大川財団 )が開催され、大川賞受賞者による記念講演会がありました。
大川賞 古井貞熙博士 |
大川賞 ヴィクター・ズー博士 |
本年度の大川出版賞は、東日本大震災とそれに伴う原発事故を機に顕在化したIT(情報処理技術)の諸問題について述べた「ITが守る、ITを守る―天災・人災と情報技術」(坂井 修一氏 著・NHK出版 刊)と最近の米国のICT(情報通信技術)政策の決定過程を解説した「インターネットに自由はあるか―米国ICT政策からの警鐘」(藤野 克氏 著・中央経済社 刊)2冊の本が受賞されました。
大川出版賞は、本年度を含め、これまでに58冊の図書に贈呈されています。
大川出版賞 「ITが守る、ITを守る―天災・人災と情報技術」 |
大川出版賞 「インターネットに自由はあるか ―米国ICT政策からの警鐘」 |
研究助成は、情報・通信分野に関わる、基礎研究、通信・インターネット、コンピュータシステム、人工知能、バイオ、応用、人文・社会科学の分野において、優れた先端的な研究や社会的に有用な研究を行っている研究者に対して、助成金を贈呈するものです。贈呈式では、国内18名、中国・韓国8名の研究者に対し、研究助成金の贈呈を行いました。
なお、米国の研究助成贈呈式は2013年1月21日(月)カリフォルニア州サンフランシスコ市のホテルニッコーサンフランシスコで開催、米国の主要大学の研究者6名に贈呈を行っております。
2012年度 大川賞・大川出版賞受賞者と研究助成対象者の皆様 |
贈呈式に先立ち、京都大学 名誉教授 中西 輝政氏に「蘇る日本」をテーマにご講演いただきました。
日本の戦後の復興経済からバブル経済崩壊とその後の停滞について、経済的、社会的な価値観として物質的なものに傾注してきたことへの反省に立って、今後、日本がどうすれば持続的に繁栄し、創造性を高めていけるのかを文明史的な視点も含めて、心のありかた、精神の全体像も見つめた発想や進歩と伝統のバランス、個と共同体の絆を社会全体として考えていかなければならない等の解説がありました。
京都大学 名誉教授 中西 輝政氏 |
大川賞受賞者に贈られた賞状と金メダル |
今後も、大川財団は国際的な学術交流と情報通信分野の研究のさらなる発展をめざし、このような活動を継続して行きたいと考えております。