2022年3月2日、ANAインターコンチネンタルホテル東京にて「大川賞・大川出版賞贈呈式」が開催されました。昨今の情勢に鑑み、出席者を国内の受賞者および財団関係者に限定し、2020年度と2021年度の贈呈を併せて行いました。
2020年度の大川賞は、画像、音声をはじめとする情報のデジタル化、圧縮等の研究開発に貢献のあった安田 靖彦博士(東京大学 名誉教授・早稲田大学 名誉教授)、ロバート M.グレイ博士(スタンフォード大学 工学部 Alcatel-Lucent Technologies 名誉教授)に贈呈されました。グレイ博士からは動画によるスピーチをいただきました。
大川賞 安田 靖彦博士 |
大川賞 ロバート M. グレイ博士 |
2021年度の大川賞は、コンピュータネットワークの研究開発と普及に貢献のあった宮原 秀夫博士(大阪大学 元総長 名誉教授)、ジョン D. オサリヴァン博士(オーストラリア連邦科学研究機構 名誉フェロー)に贈呈されました。オサリヴァン博士からは動画によるスピーチをいただきました。
大川賞 宮原 秀夫博士 |
大川賞 ジョン D. オサリヴァン博士 |
※各受賞者の主な略歴・業績等はこちらをご覧ください。
2020年度の大川出版賞には、人工知能の研究は人間知能を形式化し明示的に表現することとの視点から、科学的な知見に基づき人工知能の全体像とその可能性について考えを述べた「人間知能と人工知能―あるAI研究者の知能論―」(大須賀 節雄氏 著・オーム社 刊)、5Gの技術やその背景を解説し、利活用および課題等を明らかにしながら、5Gの可能性とその向き合い方を広く一般的に著した「5G 次世代移動通信規格の可能性」(森川 博之氏 著・岩波書店 刊)、サイバー攻撃への対策について、実際の事例を交えて様々な角度から分析し、平易に解説した「サイバーセキュリティ 組織を脅威から守る戦略・人材・インテリジェンス」(松原 実穂子氏 著・新潮社 刊)の3冊が選ばれました。
大川出版賞「人間知能と人工知能」 |
大川出版賞「5G」 |
大川出版賞「サイバーセキュリティ」 |
2021年度の大川出版賞には、量子コンピュータによる解読に耐えうる暗号技術について数学的知識を用いて包括的に解説した「耐量子計算機暗号」(縫田 光司氏 著・森北出版 刊)、AIが持ちうる創造性やそれによる芸術の可能性における問題を提起し、多くの実例や作品をもとにその未来像を述べた「創るためのAI 機械と創造性のはてしない物語」(徳井 直生氏 著・ビー・エヌ・エヌ 刊)の2冊が選ばれました。
大川出版賞「耐量子計算機暗号」 |
大川出版賞「創るためのAI」 |
大川財団では、今後とも、国際的な学術交流と情報通信分野の研究のさらなる発展をめざし、このような活動を継続していきたいと考えております。